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木谷宜弘資料館

木谷宜弘プロフィール

ボランティア研究所時代

地元徳島で活動を継続

平成12(2000)年、福山平成大学を退職して徳島に戻り、「ボランティア研究所」を主宰します。帰郷を待ちわびていた徳島県社会福祉協議会スタッフとともに、同年9月23・24日に開催された「第9回全国ボランティアフェスティバルとくしま」に参画し、総合企画専門委員会副委員長ならびに広報専門委員会副委員長として尽力。メインテーマ「藍・あい・愛 渦になれ 輪になれ ボランティア」のもと延べ10万人によるボランティアの学習と交流が行われ、自らも会場内に設置した「善意銀行展」の運営にあたり、現場に立ちました。展示パネルを見て感動した中学生たちの姿が強く印象に残ったそうです。

このボランティアフェスティバルの成功を一過性に終わらせたくないという声に応え、徳島県社協は翌平成13年から10代の少年少女たちのボランティア活動を推進する「藍・あい・愛」運動を県内25市町村社協のモデル推進地区において行い、さらに、平成16年からは「TIC運動(TeensIn Community)」へと発展させます。この運動は10代世代が主役となって実践する社会活動であり、ティーンズボランティアたちが自分たちで計画を立てた活動を地域住民がサポーターとして支援し、自分たちの地域を活動の場とすることに大きな意味があります。

「自分の意志で挑戦する場と時間と仲間を喪失した10代世代は萎縮している。学校、塾などの管理された場所から解放され、本当の社会力や人間力を培うことのできる社会体験こそ彼らに必要である」と木谷先生は説き、TIC運動推進委員会委員長として県内外に出掛け、ティーンズボランティアたちとふれあうなど推進に努めました。これはまさに子供民生委員活動の再生と言えます。

志は引き継がれていく

平成20(2008)年11月29・30日に開催された「日本福祉教育・ボランティア学習学会第14回徳島大会」では、実行委員長としてフォーラム等にも積極的に登壇し、徳島におけるボランティア活動の歴史からTIC活動の今後の展開に至るまで、全国から集まった参加者に向けて熱く語りました。そして、「ボランティア」という言葉自体まだ知られていない時代からの長年の功績に対して、平成19年「久留島武彦文化賞」、平成22年「徳島新聞賞社会賞」を受賞します。

また、平成23(2011)年の「日本福祉教育・ボランティア学習学会(京都大会)」では、岡本栄一氏(大阪ボランティア協会理事長)とともに学会の名誉顧問に就任します。その一方で、平成17(2005)年からは四国地域福祉実践セミナー(日本地域福祉学会四国ブロック大会)の顧問として「地域福祉と俳句」を提唱し、俳人としても活躍しました。

その後も徳島県社会福祉協議会、とくしまボランティア推進センターにおいてよき相談者として若いスタッフたちに指導や助言を行いながら、自然豊かな徳島県上勝町に拠点を移し、主宰する「共創の里」において新たな可能性にチャレンジしていましたが、平成24(2012)年10月13日、東京の地において、その生涯を閉じることとなります。享年83歳、ボランティアに一生を捧げた人生でした。木谷先生が切り拓いたボランティア活動普及の道は決して途切れることなく、志を継ぐ人たちによってこれからも続いていきます。