第七次活動推進計画
~地域共生社会の実現に向けて~
基本理念
徳島県民一人ひとりが、お互いに支え合いながら
身近な地域で、その人らしく、安心して生き生きと
暮らせる福祉社会の実現を目指します。
SDGsの取り組み
平成27(2015)年9月の国連サミットで採択された
「誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現」に向けた
「SDGs(持続可能な開発目標)」は,本会の基本理念にも合致するものであるため,
第七次活動推進計画の取り組みを通じて目標達成に貢献します。
- 1 計画策定の趣旨
- 徳島県社会福祉協議会では,「第六次活動推進計画 ~地域共生社会の実現に向けて~」を本会の活動指針として策定し,毎年度,評価・修正等による見直しを図りながら,令和2年から令和4年まで,その実践に取り組んでまいりました。この間,社会福祉法制定・社会福祉協議会創設70周年を迎え,「地域共生社会の実現」に向けた制度・施策が改正・創設されてきた一方,新型コロナウイルス感染症の影響や少子高齢化・人口減少の加速により,地域の福祉課題は複雑化・複合化の一途をたどり,一段と厳しさが増してきています。こうした地域社会を取り巻く現状と課題を的確に捉え,地域の多様な主体とともに地域福祉の推進を図るため,今後の3年間で重点的に取り組む推進事項を示す計画として策定するものです。
- 2 計画の性格と位置づけ
- この計画は,社会福祉法第110条の規定に基づき,本会が取り組む事業を明らかにするとともに,徳島県総合計画や徳島県地域福祉支援計画,市町村社協の地域福祉活動計画などとの連携にも留意し,県民の参画を得ながら,関係者,関係機関・団体等との協働のもと,総合的に推進する計画とします。
- 3 計画の推進期間及び進捗管理
- 令和5(2023)年度から令和7(2025)年度までの3年間とします。計画の進捗状況については,総合企画委員会において毎年,点検・評価を実施するとともに,法令改正等に伴い,必要に応じて計画内容の追加・変更を行ってまいります。
基本方針1 共に支えつながる地域づくり
重点推進施策(1) 市町村社協を核とした地域福祉の推進
- [あるべき姿]
- すべての地域住民が世代や社会的背景を超えて繋がり,相互に役割を持って“支え手”“受け手”という関係を超えて支えあう地域共生社会づくりを目指し取り組んでいる市町村社協を継続的に支援する。広域支援にあたっては,それぞれの地域特性を踏まえた支えあいの体系を確立していく市町村社協の活動を通じて,誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現という,我が国と国際社会のあるべき近未来の姿の実現に向けて,ともに推進するよう整合性を図りつつ進める。
- [主な取り組み]
-
- 先進的な情報発信や事例の協働検証を行うとともに新たな情報共有ツール・アプリの開発と運用
- 地域福祉活動計画を基盤とした様々な地域づくりに係る事業費助成,アドバイザー派遣等
- すべての社協職員の総合相談・支援対応力の向上を目指した目標管理型研修の体系確立と実施
- 各社協の実践事例を共有並びに,実践報告会の開催による分析と共有
- 個別の相談支援の強化,住民の行う地域づくりの支援及び社会参加の機会創出支援による繋がりづくりによる地域の分析・診断に基づく地域福祉の推進の支援及び地域内の協議体等での協議支援
- 各市町村圏域で包括的支援体制の構築に取り組む市町村社協への総合支援
- 相談支援を中心とした地域福祉推進のための人材確保と体制づくり等への支援
- ボランティア・市民活動の活性化に向けて市町村社協の進める人づくり・地域づくりを支援
重点推進施策(2) 多様な主体と連携した包括的支援体制の推進
- [あるべき姿]
- 「相談支援」,「社会参加支援」,「地域づくり支援」を育み続け,地域住民と地域の多様な主体が地域生活課題の発見と解決に向けて取り組み続ける地域文化を醸成する。国の第二期成年後見制度利用促進基本計画(令和4年度から5年間の計画)における基本理念である,尊厳ある本人らしい生活の継続と地域社会への参加を図る権利擁護支援の推進を目指す。
- [主な取り組み]
-
- 地域における包括的な支援体制の構築に向けた情報発信の強化と福祉観の醸成
- 社会福祉法人・施設との協働を中心とした,くらしサポートネットによる多様な主体との協働推進
- 相談支援に関する各種事業との連動による参加支援の充実
- 孤独・孤立へのアプローチと社会的包摂の観点に立った地域づくりへの支援企画の検証と実施
- 地域ニーズに基づく既存の社会資源の集約化と新たな資源の開発に向けた協働実践
- 「意思決定支援」のさらなる推進に向けた日常生活自立支援事業と成年後見制度の連携や地域の包括的な権利擁護体制の構築の推進
重点推進施策(3) 広域・ブロックを意識した協働のプラットフォームづくり
- [あるべき姿]
- 日常生活圏域や市町村圏域で展開される支え合い活動をサポートするため,複数の市町村にまたがって設定される圏域・県や県を超えた圏域において,それぞれの圏域で福祉課題の解決に取り組む住民や団体,専門職や専門機関,民間企業,行政等が互いにつながり合い協働することで,相乗効果を発揮し,そこで生活する方にとってより良い暮らしの実現に繋げることができる体制づくりを目指す。
- [主な取り組み]
-
- 協議会の設置や圏域別の協議の場を通じた協働の場づくり
- 支援プロセスや共催事業等を通じた顔の見える馴染みの関係づくり
- 同じ目的や役割を持った者同士によるお互いの高め合いやノウハウの共有,異なる分野との交流で得られる新たな視点や気づきの獲得など,協働を通じた取り組みの充実を支援
基本方針2 未来の福祉をリードする人づくり
重点推進施策(1) 福祉人材の確保・育成・定着の推進
- [あるべき姿]
- 将来にわたって福祉・介護ニーズに的確に対応できる人材を安定的に確保していくため,すそ野拡大をすすめ,就業条件の見直しや多様性を受け入れる職場づくり等,多様な人材が活躍できる福祉現場の実現を目指す。
- [主な取り組み]
-
- 多様な人材に対し,社協らしさと福祉人材センターの強みや機能を発揮し,福祉の仕事の内容や魅力などを発信
- 地域の多様な人材や潜在有資格者の福祉分野への参入促進を図り,きめ細かなマッチングを実施
- 種別協議会・ハローワーク・養成校等,多様な関係機関との連携に基づく人材確保への取り組みの推進
- [あるべき姿]
- 質の高いサービスを確保するため,研修体系の整備,処遇改善や資格取得支援,キャリアアップの仕組みづくり等,福祉人材育成の体制整備を図る。
- [主な取り組み]
-
- 職員が自らの仕事にやりがいを感じ,将来に向けた自らのキャリア形成を思い描くためのキャリアパス構築への支援
- 福祉人材のキャリアアップを図るため,職種,経験年数等に応じた多様な研修の充実
- 福祉人材の専門性を高めるための資格取得に要する貸付制度の利用促進及び相談支援
- [あるべき姿]
- 魅力ある職業として社会的に認知され,職員それぞれの状況に応じた柔軟な働き方の実現や,ワーク・ライフ・バランスの推進を図り,働きやすく,働き続けられる職場をつくる。
- [主な取り組み]
-
- 働きやすく,やりがいの感じられる職場づくりに関する先駆的・優良な取り組み事例の収集と提供
- 求人事業所との信頼関係を構築し,そのニーズを丁寧に引き出し,調整を図るなどのきめ細かな対応により,職場定着を実現
重点推進施策(2) 共に生きる力を育む福祉教育の推進
- [あるべき姿]
- 福祉の仕事の魅力やボランティア活動の取り組みを全世代に発信し,県民の福祉への関心を高めるとともに,共に生きる力を育む福祉教育として,次世代を担う子供たちの豊かな学びの機会の展開や成年後見制度をはじめとした権利擁護体制や普及を推進し,地域住民など多様な関係者とともに地域の福祉力向上を図る。
- [主な取り組み]
-
- 様々な関係機関と連携したボランティアの育成
- 成年後見制度等,権利擁護の認知度の向上及び権利擁護支援ができる人材の育成
- 世代に応じた福祉職場体験等の実施による仕事内容の現状や理解促
- 福祉施設の現状や当事者の想いを様々な媒体により幅広い世代に向け発信
- 地域と学校の連携協働,地域住民の参画を得て,豊かな学びを地域で支える福祉教育を市町村域で展開
重点推進施策(3) 誰もが社会で活躍できる関わりの推進
- [あるべき姿]
- 福祉サービス事業所における苦情解決機能の向上や日常生活自立支援事業の適正な運営の確保を図ることにより,福祉サービス利用者の権利が守られる社会づくりを目指すとともに,公平・中立な評価機関として,外部評価事業及び第三者評価事業を実施することで,各サービス提供事業者が,良質かつ透明性の高いサービスの確保を図り,利用者及び地域住民などが安心して暮らすことのできる地域づくりを目指す。併せて,誰もが地域において自立した生活が送れるよう,日常生活自立支援事業や成年後見制度の普及啓発,従事者資質の向上に努め誰もが社会で活躍できる社会の実現を目指す。
- [主な取り組み]
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- 制度やサービスの紹介,福祉の現状・課題や対応実践などの発信による社会の理解啓発の推進
- 近年の社会福祉課題を踏まえた調査・検証,福祉サービス提供事業所への啓発
- 支援を必要とする誰もが安心して福祉サービスを受けられる取組の推進
- 県内の地域密着型サービス事業所を対象とする評価を通じたサービスの質の向上
- 福祉サービス提供事業者及び社会的養護関係施設を対象とした評価を通じたサービスの質の向上
- 地域福祉活動や福祉サービスなどを支える人材育成の推進
基本方針3 安全・安心な福祉のまちづくり
重点推進施策(1) リスク対応力の強化と深化
- [あるべき姿]
- 甚大な被災が想定される南海トラフ地震や直下型地震,風水害などの自然災害が発生した際に,的確かつ速やかに県福祉救援合同本部及び県災害ボランティアセンター等を設置・運営し,県民の安全で安心な生活の確保に取り組むため,県域をカバーする県社協の対応力の向上を目指す。
- [主な取り組み]
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- 発災時の迅速なセンター設置に向けた体制整備
- 資機材ストックヤードを活用した災害ボランティアセンターに対する迅速な資機材提供体制の強化
- 共通言語の増進や情報共有等,災害対策に取り組む関係者間のソフト面での連携
- 災害時支援協定の締結等を通じた被災者支援ネットワークの拡大
- [あるべき姿]
- 大規模災害や新型コロナウイルス感染症の再拡大,新たな感染症,未知の脅威に備えることで,県社協の使命と役割を継続的に発揮する。
- [主な取り組み]
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- 普段の業務以外の対応が増えたり,職員が出勤できなくなったりした場合に備え,必要な事業を継続できる態勢を構築
- 執務室や物品の衛生管理,危険箇所の解消等を通じたリスク対策の実施
重点推進施策(2) 平時から発災,復興まで切れ目のない支援体制の構築
- [あるべき姿]
- 災害時の要支援者や生活課題を抱えた人に対する取組として,平時から福祉関係者や支援機関が連携して,支援の仕組みを構築することで,速やかな支援が可能となり,地域住民の安心・安全な生活を守ることが出来る。災害ボランティアセンターを円滑に設置・運営することで,災害時において,共助の力や様々な専門家等の力で,被災した住民の生活を速やかに再建することができる。また,障がい者や高齢者がスムーズに避難できるように,福祉避難所の円滑な設置に向けて,社会福祉法人や関係機関と連携して取組を推進する。そして,平時から災害ケースマネジメントを推進することで,様々な生活課題を抱えた住民が安心して生活をおくることができる,災害にも強い福祉のまちづくりを目指す。
- [主な取り組み]
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- 身近な地域で被災地支援に関わる人材の育成
- 福祉避難所の取組状況について,各市町村ごとに調査を行い現状を把握する。その上で,現行の制度に基づいた福祉避難所の設置について,研修及び訓練を通じて取組を推進
- 社会福祉法人経営者協議会等との連携強化及び徳島県災害福祉支援ネットワーク活動の推進
- 市町村社協とともに進める個別の総合相談支援の強化
- 専門職・士業団体等とともに進める,複合化・複雑化された地域住民の課題解決に向けた総合相談支援体制の構築
- 地域住民同士による支え合い活動を推進するため,モデル事業の実施を検証
重点推進施策(3) 地域と協働した要配慮者支援の推進
- [あるべき姿]
- 社協の強みである関係者のネットワークを活かし,社会福祉法人・福祉施設や行政,専門職団体,地域住民など多様な機関との連携をコーディネートすることで,恒常的な福祉課題の解決に向けた地域全体での取り組みを目指す。
- [主な取り組み]
-
- 人材確保,マンパワーの育成定着,地域における公益的な取り組みなど,福祉業界が直面する共通課題について共有・議論し,種別域を超えた協働による解決を推進
- 災害対策を切り口とした地域との要配慮者支援を推進
基本方針4 親しまれ信頼される組織づくり
重点推進施策(1) 地域貢献・地域における公益的な取り組みの推進
- [あるべき姿]
- 制度外の福祉的なニーズを抱える人たちに対して,県社協として,県民の善意を預かり,将来の希望に向けて生活が送れるようにするため,基金事業を運営する。また,県内全体の地域共生の取組を行うことで,福祉関係者等が円滑に連携し,要支援者が速やかに支援に結びつくようにする。さらに,地域において福祉の制度内外の様々なニーズに対して,様々な関係者が協力して,地域共生に向けた体制を構築できるように取組を推進する。こうした,仕組みを構築することで,様々な生活課題を抱えた人も社会参加が可能となり,その人らしい生活を送ることが出来る。
- [主な取り組み]
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- 奨学金制度を実施し経済的な理由により,進学が困難な子供たちやスポーツを志す子どもたちを支援し,進学から卒業までの見守りを行い,次世代を担う子ども達への支援を実施
- 基金の運営を通じて,地域で子どもたちを見守り・育む団体を対象に助成し,子どもたちが安心して参加できる「子どもの居場所づくり」を拡充
- 社会福祉法人による地域における公益的な取り組みやSDG'sへの貢献,企業による地域貢献を呼びかけるなど,県内全域における地域共生社会の実現に向けた取組を推進
- 全国や他県の社会福祉法人の連携・協働化等の取組を参考に,市町村圏域における複数法人間連携の取組を推進
重点推進施策(2) ICT等の活用による働き方改革の推進
- [あるべき姿]
- ICTの活用と業務プロセスの見直しへとつなげることで,情報の効果的な収集・活用,多機関とのネットワークの可能性の拡充,増大する事業・職務の効率化の推進とするなど,新しい働き方による充実した職業生活とワークライフバランスの実現を目指す。
- [主な取り組み]
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- 事業・業務内容の効率化の推進
- 効果的な情報活用
重点推進施策(3) 持続可能な組織運営と経営基盤の強化
- [あるべき姿]
- 社会福祉の増進や地域福祉を推進する中核組織として,組織としての現状の課題や組織の役割を職員一人ひとりが理解し,組織内の横断的な運営基盤や方法を確立するとともに,専門性の向上や人材の育成・活用を目指す。
- [主な取り組み]
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- 法令や規則を遵守し,社会の模範となる組織づくり
- 課題の実態を把握し,情報発信と課題解決のための企画・提案
- 会員確保や予算獲得,民間資金の活用,収益事業の拡大等による財政基盤の強化と健全な法人経営
- 職員研修や意識啓発を通じた職員の資質向上
- 各事業を通じたSDG'sの目標達成に向けた貢献に加えて,節電や節水,フードロスの削減,再利用・リサイクルの活用など,日頃からの心がけによるSDG'sへの貢献度を拡大
ご相談・お問合せ先
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